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第23回 繋駕騎手の日常と、名手が選ぶ繋駕の名馬

・減量に苦しむ専門騎手、軽さに苦しむ平地兼任騎手

 現代行われている競馬は、能力の均一化を負担重量に差をつけることで行なっている。しかし繋駕は“距離ハンデ”といい、騎手の負担重量を原則65キロ(晩年は68キロ)の定量とする一方、強い馬を正規のスタートラインより後ろからスタートさせて、能力の均一化を図っていた。

 65キロといえば平地より10キロ前後重いものの、繋駕専門の騎手の多くは減量に苦労したという。例えば最後の繋駕で勝利した志村文雄氏は繋駕専門だったが、普段は実に70キロ。当時はサウナはなく「体を動かして食事をとらないことで体重を落としていた」(志村文雄氏)そうだが、当時は3キロまでの超過が認められており、減量が必要な人は68キロで乗ることが多かった。勝負服や装備などが3キロ程度あるため、志村文雄氏なら最低5キロの減量が必要だった訳だが、中には10キロ以上の減量を強いられていた騎手もいたとのこと。ある現役調教師(元騎手)は「現在は騎手に向く体型の人が騎手になるが、昔は競馬が好きで騎手になった人ばかり」と話されたことがあったが、この過酷さは競馬が好きだからこそ耐えられるものと言えるだろう。

 一方で平地・騎乗でもトップジョッキーとして活躍した阿部時男氏の場合、現役時代は52キロで、体重の軽い騎手は繋駕の下の部分に“カバン”と称していたオモリを入れた袋を取りつけて調整していた。しかしレースでは「前の馬を交わそうとする時やコーナーの辺りで繋駕どうしがぶつかると、俺とか体重の軽い騎手はそこでよくはじき飛ばされたんだ」(阿部時男氏)と語るように、専門騎手との体格差に苦しむ場面が多かったという。

・名手が選ぶ思い出の1頭

 繋駕の話題を取り上げる最後として、村上初男氏と阿部時男氏から、組合設立後に自らが騎乗して活躍した、思い出の馬を紹介していただく。

 村上初男氏から紹介していただいたのは岩手生え抜きの“ビーツルツネ”(1967(昭和42)年6月・地方競馬全国協会会長賞典優勝、同7月・全国公営競馬主催者協議会会長賞典優勝)で、「俺が北海道に行って買ってきた馬で、それを俺が調教してレースに使って馬なんだ。この馬には随分と勝たせてもらって中央に売れていってね。中央も繋駕は下火だったけれど、そうやって売れていく馬はまだいたんだよね」(村上初男氏)と語っている。

 一方、阿部時男氏から紹介していただいたのは“エンゼルホープ”(1965(昭和40)年5月・岩手県知事賞優勝、同11月・謝恩競走優勝など)という中央からやってきた馬である。この馬は「最高で250mのハンデをつけられたからね。繋駕では2000mのレースが多かったけれど、旧盛岡競馬場だと250mも下がればちょうど3コーナーの下り坂なんだよ。下りだと勢いがつくからキャンターになりやすかった。だから下りのスタートは怖くて神経を使ったんだよ」(阿部時男氏)と語っている。

阿部時男氏
騎手時代はオールラウンダーとして活躍した阿部時男元調教師(2004年撮影)。


エンゼルホープの成績表
エンゼルホープが優勝した岩手県知事賞(1965(昭和40年)5月24日・水沢競馬第9レース)の成績表(提供:NAR地方競馬全国協会)


村上初男氏の写真
村上初男元調教師が騎手時代、繋駕速歩に騎乗していた昭和20年代の貴重な写真(提供:村上初男氏)


ビーツルツネが優勝した際の成績表
ビーツルツネが優勝した全国公営競馬主催者協議会会長賞典(1967(昭和42年)7月23日・盛岡競馬第9レース)の成績表(提供:NAR地方競馬全国協会)



・参考・繋駕の失格ルール

 繋駕(騎乗含む)には“歩法”に関するルールが定められており、次の違反をすれば失格となり、出走停止などのペナルティが科される。

1.長距離異歩法-長い距離(約200m以上)キャンターになった場合
2.しばしば異歩法-繰り返し(約5回以上)キャンターになった場合
3.異歩法入線-キャンターでゴールに入線した場合

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